古いバイクに乗ると聞くと、まず思い浮かぶのは「壊れやすそう」という話かもしれません。
確かに、年数を重ねた車両では、現在の状態を丁寧に確認しながら付き合っていく必要があります。
ただH.S factoryでは、古いバイクについてもう一つ大きな問題があると考えています。
それは、
壊れたときに、必要な部品が手に入るとは限らない。
ということです。
故障そのものを直せる技術があったとしても、必要な部品がなければ、その場ですぐ元通りにできるとは限りません。
古いバイク、特に絶版車と付き合うときは、車両の状態だけでなく「この先も維持していけるか」という視点が必要になります。
「壊れたら交換すればいい」が通用しないことがある
比較的新しい車両なら、不具合が見つかったときに新品の純正部品を手配し、交換するという流れを考えやすいと思います。
しかし古い車両では、同じ考え方がいつまでも通用するとは限りません。
必要な純正部品がすでに手に入らない。
代わりになる部品があるのか分からない。
中古部品を探す必要がある。
修理や加工で再使用できないか考える必要がある。
こうした場面が出てくる可能性があります。
つまり、
「故障箇所が分かった」ことと「修理できる」ことは同じではありません。
診断できても、部品がなければ次の方法を考えなければならない。
ここが古いバイクの整備で難しいところの一つです。
部品がないからといって、すぐに終わりとも限らない
では、純正部品が手に入らなければ、そのバイクにはもう乗れないのでしょうか。
それも一概には言えません。
車両や部位によっては、別の方法を検討できる場合があります。
代替できる部品があるのか。
既存の部品を修理できるのか。
専門の加工業者へ相談するべきなのか。
別の整備方法を考えられるのか。
H.S factoryでは、旧車・絶版車についても、部品が見つからないという理由だけで最初から答えを決めるのではなく、現車の状態を見ながら可能な方法を考えていきたいと思っています。
一方で、できないことを「何とかできます」と言うつもりもありません。
自社でできることと、専門家へ任せた方がいいことを切り分ける。
古いバイクほど、この判断が大切になります。
直せるかどうかは、壊れてから考えるだけでは遅いこともある
古いバイクでは、不具合が出てから必要な部品を探すだけでなく、今後どこを維持していく必要があるのかを考えておくことも大切です。
現在どこまで整備されているのか。
どの部分はまだ使えるのか。
どの部分は今後整備が必要になりそうなのか。
そのとき必要になる部品は確保できるのか。
こうした情報が分かっていれば、突然の不具合に対しても考えやすくなります。
これは以前の記事で触れた、中古バイクの「ゼロ点」を作るという考え方にもつながります。
過去のすべてを知ることは難しくても、
少なくとも自分が乗り始めた時点から、状態と整備の履歴を積み重ねる。
それが、古いバイクを長く維持していくための大事な材料になります。
「旧車はお金がかかる」で終わらせたくない
古いバイクの話になると、
「金がかかる」
「壊れる」
「覚悟が必要」
という言葉だけで片付けられることがあります。
もちろん、維持に時間や費用が必要になることはあります。
でも、それだけでは少し雑な話だと思います。
大切なのは、どこに問題があって、何が必要で、その部品や修理方法が確保できるのかを一つずつ確認することです。
使えるものまで全部交換する必要はありません。
逆に、まだ動いているからという理由だけで、状態確認を後回しにするのも違います。
現在の状態を見極めて、本当に必要な整備を考える。
これは新しいバイクでも古いバイクでも、H.S factoryが大切にしている基本です。
古いバイクを買う前にも、「部品」を少し考えてほしい
昔から憧れていた車種。
今では見なくなったデザイン。
キャブレター車ならではの感覚。
古いバイクには、今の車両とは違った魅力があります。
だからH.S factoryとしても、「古いからやめた方がいい」と一括りにするつもりはありません。
ただ、購入するときには車両価格や見た目だけでなく、
この先、必要になった部品をどう確保し、どう直していくのか。
そこまで少し考えてほしいと思います。
壊れるか、壊れないかを完全に予測することはできません。
でも、今の状態を確認し、分かる範囲で将来の整備を考えることはできます。
古いバイクと長く付き合うために必要なのは、勢いだけでも、怖がることだけでもありません。
直し続けられる道を、一台ずつ考えておくこと。
それも旧車・絶版車を維持するうえでの「普通の整備」の一部だとH.S factoryは考えています。
